企業の価値の基準はかつて利益を生み出す工場、土地、設備、などの有形資産によって計られてきました。しかし特許権や特殊な技術力、情報網、知名度といった知的企業資産−無形資産の割合と質とが、その企業の価値に大きな影響を及ぼす時代になって来ています。欧米ではすでに無形資産の質と量が、株主の企業に対する厳しい評価を下す判断材料となっています。欧米では株主の力は強固なもので、経営に強い影響をもたらし、日本企業でも特に世襲を続けて来た世襲同族会社は株主との関係の見直しを迫られています。国内企業もHOYA、オリックス、ドンキホーテ、ファナック、花王など外国人株主の割合が 50%前後を占めており、外国人の投資は増加し続けています。グローバルなブランド開発企業である英国のインターブランド社によると、 企業価値は有形、無形資産が同じ割合であった 1970年代に比較すると、1990年代には有形資産25%-無形資産75%となり、2010年代には有形資産20%-無形資産80%に推移しています。アメリカのS&P500構成企業の時価総額のうち、無形資産が生んだ価値の比率は95年は68%、05年は80%、そして2015年は84%に達しています。日本国内でも内閣府の発表によると、1980年の企業の無形資産投資は6% 前後であったものが2008年には11% 代に伸びています。無形資産の計上方法は複雑で一様ではありませんが、無形資産に含まれる要素は大別していくと、社会でのブランド認知度、特許権・著作権、技術力、顧客データベース、販売契約・販売チャネル、経営者の能力等が考慮されると言われます。そしてその中でも最も大きな比重を占めるのがブランドの認知度、つまり社会への企業の継続する価値の提供とその存在意義のアピールの積み重ねという企業努力と投資姿勢なのです。 ブランド戦略はすでに企業と消費者の間を取り持つ重要な手段の一つであり、広告やマーケティングの範疇を越えた経営戦略になりつつあります。ブランドの育成強化は企業の成長に多大な影響を及ぼす大切な要素となっているのです。